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最大の獣脚類 [仕事の雑記帳]

史上最大と書きたくて書けないのは、断片的であるにしろ個体変異から既知の、恐竜例えばT-rexでも異常に大型のものが発見されたり、アロサウルスの仲間にもエドウマルカとかサウロファガナクスとかいう標準的なT-rexの大きさを凌駕するものがいたと言われているからです。
大きさって言うのは恐竜の場合1メートル大きいか小さいかという世界です。
考古学者はセンセーショナルな話題を提供し次の研究の資金を集める。
巨大であることが一つのメルクマールである。
ジュラッシック・パーク3だったかで、ティラノサウルスを両手で捻り殺したバカでかい帆を背中に持った恐竜。


スピノサウルス・エジプティクス01カード用スピノ2006.jpg



実は現在バリオニクス、スコミムス、多少データが少なすぎて怪しいがイリタトル(研究者が特定するのに苛立つというような意味が込められている。)を含め、同種であるとされる恐竜は4種類発見されている。
その中で頭抜けて巨大なのがこのスピノサウルスである。
エジプティクスの化石は少なく、再現するには不十分で、現在のような異様な風貌に固定されて来るには他の同種の恐竜が参考にされたという経緯がある。
現在この恐竜の化石は第二次世界大戦で完全に破壊されたフランクフルトの博物館で土に帰ってしまった。
その後いくつかの個体が発見され、最大サイズは18メートルといわれている。
ティラノサウルスが13メートル程度だから巨大ですね。
でも、長い吻部はワニを連想させるように川辺に棲んでいたと考えられ、前脚の発達した巨大で鋭い爪は川の中に棲む相当大きな魚類を捕食するのに役立ったのではないかとされる。
歯も、円錐形で細長く、魚食性であったことが知れる。

02カード用スピノ2006.jpg
 


ティラノサウルスとは闘わなかったろうし、骨格の頑丈さと筋肉の量がとにかく違いすぎる。
闘えばティラノサウルスの敵ではなかったろうね。
でも、ボクは昔からこの恐竜が好きで、一番最初に描いた体色が金色だったために未だにそれを引きずっている。
本来はもっと地味な配色で目もおとなしく描いたのだけど、この画像はプレミアカード用だったのでやはりもうちょっと迫力を出して欲しいとのことで、ついつい悪人顔にしてしまったものです。
いろんな国で恐竜博覧会が博物館やいろんな商社の主催で開かれます。
カードはそんなところで売られているようです。
プレミアカード用には確か新しい画像を8つくらい描いたのですが、これもその一つでした。

カード用スピノ2006.jpg
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海のトカゲ3-史上最大の魚竜目 [仕事の雑記帳]

ショニサウルス

Shoni.jpg

陸にまだ学問的に恐竜のカテゴリーに入らぬ四足のあるいは2足歩行のトカゲ達が哺乳類と共にしのぎを削っていた頃。
2億5100万年から1億9500万年前、中生代三畳紀と呼ばれる時代、海には現在のイルカや鯨に似た海竜が全盛を誇っていた。
この当時の海竜は巨大であり、長い嘴の先には鋭い歯があるが、それは主に幼体(といってもバカでかいけれど)の頃であり、成長すると現代のひげ鯨と同じようなプランクトンや大量のイカやアンモナイトのようなバイトを丸飲みしていたのだと考えられている。
でなければ、ジュラ紀に近くなった頃には20メートルを超えるものもあったというこの巨体を維持することはできなかったのではないかしらん。
動物は種が違っても、現代とあまり形の違わないものが大昔にも存在していました。
哺乳類と爬虫類の違いがあっても、地球という環境で暮らすためには体型の選択肢が限られていると言うことでしょう。
これを収斂進化とかいいます。
15メートルから23メートル現代の鯨級のでかさを持ち、イクチオサウルスなどのようなイルカ形体型の原形をとどめ、なお特異な進化を辿った巨大な魚竜も、その後首長竜に海の首座を奪われ、次第に体型を小さく、よりスピーディなイルカ形の進化をしてゆくのです。

Shoni02.jpg

 

 

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昔のトカゲ-陸編3 [仕事の雑記帳]

優しき草食系

ディクラエオサウルス

Dicraeosaurus.jpg

[アート] アフリカ(タンザニア)のジュラ紀後期の地層からその骨格が発見されている。
推定全長13メートル。
カミナリ竜と呼ばれる竜脚類の中ではアマルガサウルスやレバッキサウルス(何の事やら判らないお方も多いことでしょうが)と同じく首が短くて首や背骨に高く二又の突起があり、帆がかかったように見えるほどではないにしろ、かなり背中が高い恐竜である。
アマルガサウルスの背骨の突起は先端が尖っていることから皮膚の下にある骨という感じではなくて、背中から骨が突き出たように描かれることが多いけれど、ディクラエオサウルスにはそのような攻撃的な表現がされない。
ぼーっとして温厚。水辺に生える苔や藻を食べていたのかも知れない。
当然寄生するダニや蛭の類が体についているだろうから、それを掃除する小さな鳥のようなプテラサウリア類を何羽か背中に乗っけて、鞭のようにしなり、猫の尻尾のようにくねくねと自由に動く尾の先端からピシッ、ピシッと空気を叩く威嚇音をささやかに発てながら、ゆった、ゆったと歩いてゆく。
そんな姿を想像してしまいます。
争わず、駆けず、高ぶらず。
物憂げに反芻しながら仲間を見渡し、互いの安全を確認しつつ、また食事。
良いかもしんないね。
ところでこの仲間も目の上に鼻腔が空いている。
だけど、収斂進化を考えても骨に空いた穴の上にダイレクトに鼻の穴が空いている動物をボクは見たことがない。穴から皮膚の管を通って鼻腔が前にあれば、そこからラッパのような音も出る。眼の少し上に鼻の穴が空いてるなんて動物、不自然だよねえ。
水の中で役立つという意見もある。
そう考える論拠になるのは現代の水陸棲の動物で鼻を水面に出して呼吸する類の生き物の骨に眼窩の少し上に鼻腔が空いている頭骨を持ったものがいないからだろうね。
どっちが正しいんだろうか。
ボクはどっちが自然に見えるかで描き方を変える。
ディクラエオサウルスは口元まで引っ張った。

Dicraeosaurus02.jpg

あくまでも想像図であって復元画ではないのだから。


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神の森の王 [仕事の雑記帳]

久しぶりに恐竜。

アウカサウルス
Aucasaurus25.jpg

大昔プレートテクトニクスにおいて存在したと考えられる巨大な大陸はゴンドワナ(神の森)大陸と呼ばれ、現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸等々を含んだ。
ローラシア大陸と呼ばれた北アメリカを含む大陸と分割されていた。
その頃北のティラノサウルスと異なる生態系の中で同様の肉食大型の恐竜たちの中で頭部が大きく前脚が極端に短い5本指の恐竜たちがいくつかの種類を形成していた。
頭に薄い角があるケラトサウルス類から独自の進化を遂げたのだけれど、プレデターとしての機能は北のティラノサウルスなどと似ている。
アベリサウルス科と呼ばれる恐竜たちの中で比較的新しい発見に基づく不完全な骨格があり、アベリサウルスの特徴をよく表している頭部の再現から描いた。
最近ではよくオファーが来た作品。それだけに韓国、中国で勝手に使われていることが多い。(ホンマ腹立つ)
白亜紀後期体長8メートル前後と推定され、南半球でニッチ(食物連鎖)の頂点にいた。
ただ、ティラノサウルスと比べて骨格の重さが違う。
ティラノサウルスの重量感はない。
歯にもティラノサウルスのような細かなセレーション(ステーキ用ナイフのようなギザギザ)はない。
ティラノサウルスの狩りはポールグレゴリーなんかの想像するように、ブッシュからいきなり「スパリ!」と草食獣の肉を切り取り、相手が逃げて出血多量で倒れるまで、ゆっくりと追跡するタイプだったとボクは思うのだけれど、このアウカの大将ははもっとダイレクトにかぶりつくだけのフットワークがあったのではなかろうかと思ったりする。
でかい頭だけれど、軽めにできていて、結構素早かったのではないかと思うね。

Aucasaurus0.jpg

 

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大昔のトカゲ陸編-3 [仕事の雑記帳]

スティギモロク・スピニファー

Stygimoloch03.jpg

[ドコモポイント]  白亜紀後期の地層から発見された、ジュラシックパーク2にも出てきた堅頭類(イメージ湧くねえ。つまり、石頭類ってことね。)パキケファロサウルスの仲間。
パキちゃんは8メートルほどの体長だったとされているけれど、この恐竜は3メートルほど。
約680万年前から6,500万年前の地層から発見されたとき、その頭骸骨の一部を見た人は黄泉の国の生き物だと思った。
付いた異名が『三途の川からの悪魔』

Stygimoloch02.jpg



でも、この悪魔、収斂進化で行くとカモシカとか高いところにいる鹿類を思わせる。
つまり、ベジタリアンで、繁殖期にはメスを巡ってオスはその固い頭をぶつけ合って繁殖の優劣を決めたんだろうね。
高い山の上に澄んだ空気の中に『カコーン、カコーン』と固い頭がぶつかり合う音が木霊したかも知れない。

Stygimoloch01.jpg



ところで、この名前のスティギモロクという部分は属名といいその後のスピファニーという部分は種小名とか言いますが、属名の部分や種小名には面白いのが沢山あります。自分の娘の名前を付けたものや、ディプロドクス・カーネギーとか言うふうにスポンサーの名前を付けたもの、学者がオタクでゴジラやガメラのファンだったというだけでゴジラサウルスとか、これは古代亀の種類で恐竜ではないのですが、シネミス・ガメラとかいうふうに結構面白い。今あげたものは日本人がつけたのではなく、向こうの学者先生が考古学に入るきっかけを示しているようで面白いですね。
あ、ちなみにボクの学名はMineosaurus/zizyii(ミネオサウルス・ジジイイ)ってことです。
妻はMikasaurus/ba…やめときます。

 

 

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大昔のトカゲ-陸編-3 [仕事の雑記帳]

謎の大口-ニジェールサウルス

Nigers01.jpg

アフリカでは時々オーストラリアほどではないけれど、おかしな形状の恐竜の化石が発見されることがある。
この先生もご尊顔がちと異常で、通常の竜脚類(ブラキオサウルスとかセイズモサウルスとか首が長くて体がでかい奴らです)の中でも変なクチをしている。
分類上はディプロドクス上科のレバッキサウルス科ということになったらしい。
体長は13mほどで、竜脚類としてはあまり大きい方ではない。白亜紀前期の生き物。
アヒルが『アッカンベー』でもしたような異常に横に広がった口には予備の歯も含めて500本以上の歯が生えていて、おそらく水辺に生えている地衣類を削り取ったり、背の低い草を芝刈り機のように刮ぎ落として食べていたのではないかなと思う。
眼窩の少し上あたりに鼻腔が空いているけれど、水中生活をしていたとも思えないので穴が空いているところに鼻があるとは限らない。

Nigers02.jpg


現代の生物のバランスに従った。
体重軽減のために体を支える脊椎は空洞化していて、残っていた部分は非常に薄い壁だったという。
体が大きく、首の長い陸棲の恐竜は、引力の影響を受けているわけで、首は水平から上にはあまりあがらなかったろうと想像されている。
海辺の鳥たちが嘴の形状で土の中の生き物を食べわけてお互いの食糧事情を解決しているように、体高で食べる高さの植物が変わっていたろうし、最も低い地面すれすれの植物は、こういった口の形をした恐竜が受け持っていたのかなとも思うね。
竜脚類はたくさん描いたけれど、何しろ横に長いので、ブログには不向きだね。
これが限界。


Nigers03.jpg

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大昔のトカゲ達-陸編-2 [仕事の雑記帳]

メトリアカントサウルス 
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ジュラ紀前期のプレデター。
イングランド南部で発見された。
映画ジュラッシックパークでは冷凍保存の胚として登場。翻訳家のほにゃ訳で、メトリントサウルスなどと訳されていた。
似たような時代に生きた同型の恐竜にヤンチュアノサウルスがあるが、こちらは少し大きい体格で中国産である。
イギリスの良識か不完全な骨格で、あまり想像図が描かれないけれど、昔から模型の世界ではよく作られていて人気がある。
メトリアカント『適度にトゲがある』って日本訳がおかしいね。
どこら辺が適度か迷ってしまうのだけれど、頭部から背中にかけて約30センチ位の棘突起があって、薄皮を被った帆のような役割をしていたともいわれている。
イギリスにはそういうタイプが多い。
ボクも適度な突起を描いた。
8メートル位の体長で、長く鋭い刃をしていた。
現代のトカゲでもそうだけれど、その鋭く細長い歯は外からは見えない。
しょっちゅう露出していると乾いてしまって口が開けにくいからだろうね。
でも、いつも言うんだけど、想像図は真面目にアプローチしようとすると歯がネックになる。
特に日本では文句が多いね。
欧米は所詮想像画なんだからとおおらかだけど、日本ではすっかり『恐竜道』って、柔道や剣道のような厳しい科学芸術の見方をされたりするんでやりにくいね。
で、ボクはこういうアングルでごまかす。

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子供が少し小さかったときには休みの日は公園に行って、棒きれでその公園の土の部分一杯にティラノサウルスの絵を描いたりした。
いい加減に描かずに、かなり力を入れて描いてあげると、子供達がワラワラやってきてそんなもので結構長い間想像を膨らませて遊ぶんだね。
ボクの息子も近所の子供達と一緒になって遊んでいた。
土に描いた恐竜のクチから入ってお尻から出るという、何とも単純な食物消化-排泄という子供の好きなテーマである。
彼らは土の上に描いたティラノサウルスの背中に乗り、プテラノドンの翼にのって心を飛ばしていた。
変なことを思い出したなあ。

今は近所の公園には土の部分に芝生が貼られ、立ち入り禁止になり、駆け回る部分はなにやら高そうなタイルが一面に貼られている。

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海のトカゲ2-時間トカゲ [仕事の雑記帳]

クロノサウルス 時の神トカゲ
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昔から何度か描いた海竜で白亜紀の初期。首の短いプレシオサウルス(この辺が分類学の変なところで首の短い首長竜って何?って言いたくなるよな。)
体長は9メートルほどでオーストラリアのクイーンズランドで発見された。
当時オーストラリア大陸には至る所に海が入り込んでいて、浅瀬の海水温度は高く、魚介類が豊富だったと思われ、このでかい頭の海竜の餌には事欠かなかったと思われる。
頭中クチだね。

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これは誇張ではなくて、化石が完全な形で残っている。
『海のティラノサウルス』という別称があり、この当時の海の食物連鎖の頂点にいたと思われる。

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肉食系の特徴である目が側面ではなく、前面に向いていて、視野が重なり、距離感が比較的正確に掴めたのではないかとも言われるが、噛む力がティラノサウルスの数倍あったと言われる顎を支える筋肉の強さのために目の位置が前に引っ張られたのではないだろうか。
目の位置から口の先端までが長く、目が正面向いていてもその先にある獲物が見えたかどうか判らない。
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 これはティラノサウルスにも言えることだ。
犬の目が前に向いているのとは違って上あごと目の高さがあまり変わらない生き物だけに立体視できたかどうかちょっと考えてしまうね。
こんなでかい口してるんだから、細かいこと考えずにガバッとそこら辺を噛みつぶしてゴクリ…っていうので生きて行けると思うんだけどね。
恐怖とその悠然としたイメージから『時間の神』という異名を持つ。
何となく、この名前に引かれて何度も描いた。
愛嬌というものがない。
長い頭部は全てが噛み砕くための役割に特化している。
ただ、この海竜も海の中で無敵であったわけではない。
白亜紀の海にはメガロドン(昔ホオジロザメ)が群れ泳いでいたはずだ。
孤独な王様は城を出た途端に幾重にも死に取り囲まれる。


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Kronosaurus and Other Sea Creatures (Schomp, Virginia. Prehistoric World.)

Kronosaurus and Other Sea Creatures (Schomp, Virginia. Prehistoric World.)

  • 作者: Virginia Schomp
  • 出版社/メーカー: Benchmark Books
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 図書館

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大昔の陸のトカゲ-美しいもの [仕事の雑記帳]

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サイカニア『美しいもの』

ジュラッシックパークにも登場したアンキロサウルスの眷属。 
体型から水辺の近くに住んでいたように思える。
鎧竜の仲間はただならぬ装甲の持ち主達が多い。中でもこのサイカニアっていうお父さんは瞼まで鎧に守られている。
モンゴルで発見され、再現された骨格は想像図を描くのには十分なほどのものが残っていて、日本にも博物館に展示されている。
中国名は『美甲竜』。この凸凹の装甲を持つ5mほどの温厚な恐竜のどこが『美しい』のか。
一見方向を定めずに乱立しているような大小の堅そうな棘、腹部にまである堅い装甲。
守りという面でこれほど徹底した装甲の生き物はいない。

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日中は泥の中に体のほとんどの部分を沈めて、カバのようにじっとしていたのかも知れない。
他のプレデターに対し、『近寄っても無駄だよ。』という強烈な意思表示。
『守り』に徹底したその容姿には醜悪さはなく、虚仮威し(こけおどし)も結晶化すればこれほどの様式美を生む。
尻尾の構造上棍棒のような武器は、どうやら上下には動かせなかったようだけれど、威嚇には十分だ。
守りに徹したこの平和主義者の生き方は現代の動物にはない。
隙のない装甲。
過酷な生態系の中で『守る』事に関する究極。
諦めるまで守る時間を悠々と過ごせる、幾重にも張り巡らされた城壁と厚い構造物を思わせる。
美しいのは姿ではなく、姿をもって示している完璧な不戦の意思である。

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大昔の陸のトカゲ-肉食1 [仕事の雑記帳]

ボクが生まれて初めて落書き帳に書いたと思われる恐竜は、ティラノサウルスではなかった。
小学校の図書室にあった図録の中で、ボクの注意を惹きつけたのは得意な3つの角だった。

ケラトサウルス・ナスコルニス
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この恐竜を描いた決定版のような画像はいまだにない。
現代から1億7000万年から1億4500万年前の陸棲のトカゲ。


ティラノサウルスより遙かに小さく、アロサウルスよりもまだ小さかった。
でも、上あごの真ん中あたりにあった歯は凄い大きさで、そのせいか獲物はティラノやアロやんと同じく巨大な竜脚類だったそうだ。
この恐竜は描き方が難しくて、いまだに満足できないでいる。
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満足できないというのは、復元骨格をみたとき(自分でも描いているけれど)四肢が短く、生き物としてのバランスをどの辺に置いて描けばいいのか、いつもそこで悩む。
悩むのに不思議と注文が多い。
クライアントもネットで探すんだろうけど、やっぱり満足してないんだとボクは思っている。
何かしっくり来ないバランスを僕同様既存の想像画に感じているのではないかな。
「あ、多分こうなんだ」とボクが感じたのは専門家の絵ではなかった。
所 十三という漫画家が描いたケラトサウルスだった。
いまだにボクは彼の単行本をよく読む。
ストーリィよりも、彼の画力に惹かれるね。
この画像はそれこそ何回目のものかわからない。
小さくても、古いタイプの恐竜でも、なーんとなく、いつも気になっているお兄ちゃんである。

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